浜松以外から至空会HPにアクセスのみなさん、「もちがつお」はご存知ですか?
「もちがつお」と言ってもカツオの品種ではなく、普通のカツオなのですが、とびっきり新鮮で締め方も違うらしく、食感がモチモチしていて独特の歯ごたえです。時間が経つと、普通の食感に戻ってしまいます。朝に出港して、近海の黒潮(そこにカツオがいる)で漁をし、昼頃に戻ってきて13時に競り、店頭に並ぶのが15時頃で、もちがつおとして食べるなら買ってすぐか、遅くとも18時前には食べたほうがいい、とお魚屋さんにアドバイスされるほどの貴重品です。浜松でもどこの魚屋にもあるわけではなく、もちがつおを扱える魚屋は仕入れの力があるとも言えるでしょう。たまに飲食店にもありますが、夜にはすでにもちがつおとしての魅力は薄れてしまいますので、食べるなら夜ではなくできるだけ早めの夕方です。こんな風ですから、東京なんかでは絶対に食べられません。とにかく美味しいとしか言いようがない、春のこの時期だけの遠州の味覚です。
「女房を質に入れても初鰹」が、浜松だと「女房を質に入れてでも食べたいもちがつお」になります。
タイムスクープハンター セレクション「熱狂!初ガツオ争奪戦」
残念なことに、ここ2年ほど不漁続きで(黒潮が遠州灘の近辺を通過しなかったそうです)、私はまったく食べられなかったんですが、この1週間ほどの間に、久しぶりの漁があって、もちがつお好きの間で話題になっています(と言っても至空会でも数人ですが・・・)。
浜松の舞阪漁港で「もちがつお」水揚げ(中日新聞より)
今日こそ!と勇んで何軒かのお魚屋さんに電話をかけてみたのですが、どこにも無い。
どうやら、今日は漁獲がほんの少しだけ(舞阪港ほとんど捕れず、新居港18本)しかなく、1本(匹)1万円もしたそうで、魚屋さんも仕入れなかったそうです。あまりに捕れず、明日の出港は取りやめだとか。どうやら、伊良湖港にも水揚げがあるようなんですが、そちらルートがあるお店も高すぎて仕入れなかったとのことでした。
数日前は、結構な大漁で、1本5,000円くらい(普通の値段です)で出せたそうなんですが、食べたい人と捕れる量の需給バランスがこうも変わってしまうと、店頭にも並ばないわけですね。
なんでそういう安く買える日に限って、仕事が重なって買いに行けないのかなあ・・・。と、嘆くしかありません。
(写真は、うらやましいので、美味しそうなブログからリンクさせていただきました!)
明日も明後日も連休中ずっと、がんばって仕事しつつ、もちがつおを探して電話かけまくります!
【後日譚】連休最終日に出港したとの情報を聞きつけ、待ちきれずに舞阪に向けて走る車に、仲卸から「今、船が戻ってきた」と電話が入りました。速攻、予約。すぐにさばいてもらい、急いで戻り、にんにく醤油を用意して食べました。至空会もちがつお友の会(仮称)構成員にも連絡を入れましたが、あいにく皆さん遠方に行っていたようで・・・ひとりで半身を一気に平らげました。もう思い残すことはないほど美味しかったです。