メンキャップクラブでは毎年、聖隷クリストファー大学の作業療法を勉強する学生さんを対象に、当事者講演会を開催しています。
精神科作業療法の授業の中で、こうして精神科ユーザーの当事者からの生の声が聞ける授業は、たぶん他の学校ではあまりないと思います。学校の授業としてもひとつの売りであり、また、私達にとっても、ひとつの事業として、講演してメンバーさんにお金が入る仕組みになっています。お互いにとって、良いメリットがあります。
始まった経緯は、「学生たちが実習に行く前に、授業の中で当事者のお話が聞けたら、より学習も深まるし、いろいろなイメージもまた違った感じで映るのではないか」と担当の先生の思いからでした。でも、なかなかそれは難しいことです。病院から患者さんを外に連れて行くというのは、普通は結構難しいことです。聖隷クリストファー大学は近隣に高齢者施設もたくさんあり、老年期作業療法などの授業では、当事者の方が来てくださっていました。精神科の授業では、なかなか実現しなかったのです。
その後、当法人にクリストファー大学からの卒業生(OTやPSW)が多く入職するようになり母校との関係ができたことや、実習に来た学生さんたちの尽力で、学園祭で焼き芋を売ることができたりカフェをやらせていただいたり、いい感じで「お隣さん」になってきたのでした。
その、地域医療機関と保健福祉の学校という「産学連携」と言うにはおこがましいですが、一部分、お互いにいい感じでお付き合いしている中のひとつが、この「メンキャップクラブ当事者講演会」です。
今日は、メンバーさんが自分の半生を振り返り、実は3年前にもここでしゃべっていたりもしたんですが、3年前の自分と、それからの自分、そしてこれからの自分というテーマでの講演でした。今回の学生さんは、もちろん、初対面です。ですから、3年前の話も織り交ぜながら、みなさん真剣に聞いてくださいました。また、メンバーさんも3年前は原稿を読むだけでいっぱいいっぱいだったのですが、今回はインタビュートークも質疑応答も難なくこなし、デイケアに帰ってきたら、「なんだか男前な感じがする」と言われていました。
以前、当院に実習に来てくれた学生さんが2人ほどいて、あいさつしてくれて、メンバーさんもスタッフもうれしい気分でスタートできました。
毎回、メンキャップクラブで売っているクッキーを持っていきます。講義の合間に販売をします。今回は30袋くらい完売で、昨年までは余ったら教員の方々に押し売りに行っていたのですが、今回はそれもありませんでした。また、だんだんより生キャラメルやわらび餅などのスイーツを販売させていただきましたが、こちらも授業が始まる前に完売でした。お買い上げ、どうもありがとうございます。